gp500physics’ blog

元・GP500 Physics 開発ブログです。

Ryzen 9 5950X 環境でサムスンBダイが DDR4-3600 CL14 で動いた!

Ryzen 9 5950X がやってきてから1週間。ゲームをしてみたり、Folding@home を回してみたり、いろいろなことを試しています。

使っていて気づいたのは、VRM がかなり熱くなることでした。思いつきでなんとなく温度を測ってみると、なんと 90℃ 越え。慌ててファンを増設することになりましたが、心配なので VRMヒートシンクを貼り付けておきました。

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相変わらずメモリは回らない状態だったのですが、ASRock のサイトを見ると、X570M Pro4 用の新しい BIOS を発見。以前は 3.00 だったのですが、最新バージョンの 3.11 にアップデートすることにしました。

アップデートは無事完了し、早速メモリの OC を試してみます。Ryzen 7 PRO 4750G や Ryzen 9 3900X で使用していた DDR4-3600 CL14 のタイミングを手入力してみると、ちゃんと起動するようになりました。

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調子に乗ってさらにメモリの OC を進めようとしましたが、この BIOS では DDR4-3600 までのようです。Ryzen 5000 シリーズは DDR4-4000 まで伸ばせるようなので、対応 BIOS がリリースされるのが待ち遠しいです。

さて、Ryzen 9 5950X の環境が DDR4-3600 CL14 で動作するようになったので、早速ベンチマークを取ってみました。DDR4-3200 CL14 とはどの程度の性能差が出るのでしょうか?


OS:Windows 10 Pro 64bit
Motherboard:ASRock X570M Pro4 (AMD X570 Chipset)
CPU:AMD Ryzen 9 5950X
CPU Cooler:CRYORIG H5 Universal V2
RAM:Patriot Viper Steel PVS416G440C9K (DDR4-4400 CL19 8GBx2)
GPU:Sapphire Radeon RX 470 8G GDDR5 Mining Quad UEFI (RX580 2048SP化済)
SSD:Intel SSD 660p SSDPEKNW512G8XT (512GB M.2 NVMe Gen3)
PSU:玄人志向 KRPW-P630W/85+ (630W 80PLUS Bronze)
Case:長尾製作所 SMZ-2WBT-ATX

DDR4-3200 CL14
CAS Latency
:14-14-14-28 1.45V

DDR4-3600 CL14 
CAS Latency:14-15-14-28 1.45V

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まずは FFベンチマークと Cinebench から。重い FFXVベンチマークでは、性能向上の余地が残されていたようで、若干のスコアアップが見られた一方、GPU の性能が十分足りている FFXIVベンチマークではほとんどスコアが伸びないという結果になりました。

続いて Cinebench は、全体的にスコアアップが確認できました。R20 のマルチでは、7% もスコアが向上しています。温度が 5℃ 低くなったのは、発熱が上がりきる前に測定が終わってしまったからだと思われます。

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続いて、TMPGEnc Mastering Works 7 でのエンコードです。設定は前回と同じです。3% から 7% の性能向上が見られました。メモリの OC だけでエンコード性能がこれだけ向上するのはあまり見たことがありません

CPU の温度は 91℃ でした。Ryzen 5000 シリーズはサーマルスロットリングの温度が 90℃ となったそうで、90℃ に達したところで性能をカットして発熱を抑える設計になっているようです。Ryzen 3000 シリーズは 95℃ だったのですが…。


メモリの OC をしただけでおおむね 5%~7% ほどの性能向上を果たしてしまいました。多コアな設計は、メモリの帯域もより重要な要素になったということなのでしょうか。DDR4-4000 の設定が可能になったときが楽しみです。