gp500physics’ blog

元・GP500 Physics 開発ブログです。

ついに我が家にも Zen4 着弾。Ryzen 9 7950X がやってきた!

Ryzen 9 7950X を 12月初めに買ってしまいました。5950X で行けるところまで粘るつもりだったのですが…。Yahoo!ショッピングで安くなっているのを見つけ、勢いで買ってしまったのでした。

その後、少し時間をかけてマザーボードとメモリを調達。AM5ソケットのマザーボードに DDR5 メモリと、新規格のパーツがずらり。新しい時代を感じさせてくれます。さて、早速組み立てることに。

まずは CPU の見た目。AMD も CPU 側にピンがない LGA タイプになりました。インテルではずいぶん前から LGA だったわけですが、ピン数が増えてきた AMD もついに同じになったっていうことですね。ヒートスプレッダも形状が変わり、熱伝導グリスの塗るのに気を遣いそうなデザインです。

続いて、マザーボードとメモリです。マザーボードは価格が最も安かった MSIPRO B650M-A WIFI を選択。メモリは Essencore の DDR5-4800、16GB 2枚組を選びました。初めての DDR5 だったので安いものを選んだのですが、このメモリが後で化けてすごいことに…!

新しいパーツに見とれながら、環境移行の準備。Windows のシステムを維持したままマザーボードを交換する場合は、先に別の SSDWindows を新規インストールし、ライセンス認証をしておくと、ライセンス認証の問題を抱えることなく SSD を載せ替えることができます。

というわけで、基板むき出しの状態でテスト運転。ここで手頃なCPUクーラーはないかと探したところ、3900X に付属のリテールクーラー、Wraith Prism があったので、これを使ってみることに。爆熱で有名な Ryzen 7000 シリーズなので、BIOSEco-mode を有効にしてインストール作業を進めました。OS は Windows 10 Proです。

インストールが終わってライセンス認証ができたら、SSD を移植します。5950X のシステムから Samsung 980 PRO を取り外し、新しいマザーボードに取り付けます。そして、前の AM4 マザーを外したケースの中へ。今度は簡易水冷も取り付けます。

さて、いよいよお待ちかねの性能測定です。5950X からどの程度速くなっているのか、見物です。その前に、ベンチマークを走らせながらメモリの設定をいろいろ試したのですが、1.25V で DDR5-6000 (36-38-38-76) に到達。倍以上の価格の OCメモリの性能にあっさりと到達できたのでした。というわけで、DDR5-4800 と DDR5-6000 の性能比較もしてみることにしました。


OS:Windows 10 Pro 64bit
Motherboard:MSI PRO B650M-A WIFI (AMD B650 Chipset)
CPU:AMD Ryzen 9 7950X
CPU Cooler:Corsair H100i RGB Platinum
RAM:Eseencore KD5AGUA80-48G400DA (DDR5-4800 CL40 16GBx2)
GPU:MSI GeForce RTX 3060 VENTUS 2X 12G OC
SSD:Samsung SSD 980 PRO (1TB M.2 NVMe Gen4) 
PSU:Cooler Master MWE Gold 750 Full Modular 750W (750W 80PLUS Gold)
Case:Cooler Master Silencio S400 TG

(比較用旧環境)
Motherboard
:ASRock X570M Pro4 (AMD X570 Chipset)
CPU:AMD Ryzen 9 5950X
RAM:Patriot Viper Steel PVS416G440C9K (DDR4-3600 CL14 8GBx2)

まずは Cinebench から。いつの間にかバージョンが23になっていて、10分間耐久モードが追加されています。簡単に負荷テストをしたいときは便利ですね。バージョン15も測定しましたが、5950X との比較では 7950X は 20~30%増しの性能です。同じ16コア32スレッドにもかかわらず、いきなりすさまじい性能です。

マルチスレッドもすごいのですが、シングルスレッドの処理もものすごく速くなっています。それもそのはず、モニタリングをしていると 5.5GHz あたりをずっと維持しています。5950X は PBO の設定を詰めていくつかのコアがやっと 5GHz に達する感じなのに対し、7950X は 当たり前に 5.9GHz まで上昇しています。超ハイクロックで普通に駆動できるのが Ryzen 7000 シリーズの特徴のようです。

今度はファイナルファンタジーバージョン15では 5950X が優勢な結果に。バージョン14はかろうじて 7950X が上回っています。発熱のせいなのか、メモリの性能の引き出し具合の差なのか、少しここは謎な結果になりました。

この PC で普段使うのが TMPGEnc ですベンチマークの設定を見直し、普段のエンコードの設定に近づけてみました。フィルタはすべて、輪郭強調と色調補正を有効にしています。これをソフトウェアエンコードと NVEnc を使ったハードウェアエンコードで比較することで、フィルタ処理にかかる時間の比較ができると考えました。

結果は、7950X が圧勝。そして、メモリの性能が無視できなさそうな時間の差が現れました。5分間の動画をエンコードするだけで DDR5-4800 と DDR5-6000 の間で10~15秒の差が出るということは、1時間で 2~3分の差になります。最近は仕事のために動画編集をすることが増えてきたので、この差は無視できません。

あとは、ハードウェアエンコードの結果から、フィルタ処理の性能がかなりよくなっていることが分かります。TMPGEnc は手軽に高画質が得られるのですが、フィルタ処理のマルチスレッド処理が苦手です。ここでシングルスレッドの速さが効いてきているのかな、と思いました。


という感じで、Ryzen 9 7950X の圧倒的な性能を見せつけられたのですが、気になるのが消費電力と温度。システム全体の消費電力は 460W を超え、CPU の温度はリミットいっぱいの 95℃。ちょっと常用には厳しい感じです。

BIOS の Precision Boost OverDrive の設定にある PPT を 190W に制限すると、性能の低下はほとんど無い状態を維持したまま、消費電力と温度がいい感じに落ち着くことが分かったので、これで運用することに。システム全体の消費電力は 410W を下回り、負荷を最大限かけているときの CPU の温度は 85℃ の手前で落ち着いています。

メモリを DDR5-6000 に OC している状態ですが、24時間負荷をかけ続けても不具合は全くありません。5950X のときはメモリ周りにかなり悩まされたのですが、今回はド安定です。

CPU・マザー・メモリの同時交換は Ryzen が登場したとき以来になりましたが、新時代の性能はなかなかのもの。新しい CPU とも楽しく付き合っていこうと思います。