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元・GP500 Physics 開発ブログです。

Ryzen 7 9700X で動画編集が進化? Ryzen 9 7950X と対決してみた

Ryzen 9 7950X と GeForce RTX 5070 Ti の環境で不自由なかったのですが、アリエクのセールで Ryzen 7 9700X を安く買えたので、サブ機の CPU を換装してみることにしました。コア数は半減、でもシングルスレッドの能力は向上。いったいどのような差が出るのか、動画編集環境でも効果は出るのか、検証してみることにしました。

メモリも 64GB キットのものを新たに購入したので、同時に取り付けました。同じシリコンパワーの同じシリーズもので、容量だけが異なるモデルです。


サブ機旧環境
OS
:Windows 11 Pro 64bit
Motherboard:B850M AORUS ELITE WIFI6E ICE (AMD B850 Chipset)
CPU:AMD Ryzen 9 7950X (Theraml Limit 90℃)
CPU Cooler:Corsair H100i Elite
RAM:Silicon Power SP032GXLWU60AFDG (DDR5-6000 CL30 16GBx2, @ DDR5-6000 30-38-38-96)
GPU1:MSI GeForce RTX 5070 Ti 16G GAMING TRIO OC PLUS (PCI Express Gen5 x16 接続)
GPU2:ASRock Intel Arc A310 Low Profile 4GB (PCI Express Gen3 x4 接続)
SSD:Hiksemi Future 2TB (2TB M.2 NVMe Gen4) 
PSU:ADATA XPG PYLON 750W (750W 80PLUS Bronze)
Case:Fractal Design Define 7 Compact Dark Tempered Glass

サブ機新環境
OS
:Windows 11 Pro 64bit
Motherboard:B850M AORUS ELITE WIFI6E ICE (AMD B850 Chipset)
CPU:AMD Ryzen 9 9700X (Theraml Limit 80℃)
CPU Cooler:Corsair H100i Elite
RAM:Silicon Power SP064GXLWU60AFDG (DDR5-6000 CL30 32GBx2, @ DDR5-6000 30-38-38-96)
GPU1:MSI GeForce RTX 5070 Ti 16G GAMING TRIO OC PLUS (PCI Express Gen5 x16 接続)
GPU2:ASRock Intel Arc A310 Low Profile 4GB (PCI Express Gen3 x4 接続)
SSD:Hiksemi Future 2TB (2TB M.2 NVMe Gen4) 
PSU:ASRock Challenger CL-750B (750W 80PLUS Bronze)
Case:Fractal Design Define 7 Compact Dark Tempered Glass

まずはCinebenchから。マルチコアはコア数が 2倍の 7950X が圧勝。シングルコアは、IPC が優れる 9700X の勝利となりました。


ファイナルファンタジーベンチマークは、9700X が勝利していますが、解像度が高く、処理が重くなるにつれて、グラフィックカードの性能がボトルネックになってくるためか、差は縮小しています。

 

最後に動画編集環境、TMPGEnc Video Mastering Works 7 の結果です。CPUでエンコードを行う x264、x265 では 7950X の方が高速であるものの、コア数が半分の 9700X も 大健闘。このあたりは CUDA のおかげでしょうか。GPUエンコードを行う NVEnc は同等QSV では 9700X の方が高速になりました。もしかすると、性能が振るわなかった 7950X と B850 の組み合わせでは、PCI Expressの仕様に何か制限があるのかもしれません。

グラフの分析を ChatGPT にもお願いしてみました。

グラフ全体から、Ryzen 7 9700XとRyzen 9 7950Xの特徴的な性能差が見えてきます。以下に傾向を整理しました:


Cinebench系(CPUベンチ)

  • マルチコア性能では、コア数が倍の7950Xが圧倒的に優勢。特にCinebench R23でのスコア差が大きく、9700Xの約1.7倍のスコア。

  • シングルコア性能は9700Xが全てのバージョンで上回っており、特にCinebench R23で9700Xは2250、7950Xは1994と約13%高い結果。

  • OpenGLスコア(R15)は9700Xがやや優位で、CPU以外の影響を含むテストで性能の差が小さいことを示唆。


FFベンチ系(ゲームベンチ)

  • いずれもGPU依存度が高いためかスコア差は小さいが、3つのテストすべてで9700Xがわずかに上回る。

  • 解像度が高くなるにつれ差が縮小しており、GPUボトルネックが強まる傾向が見られる。


TMPGEnc(動画エンコード

  • CPUソフトウェアエンコード(x264/x265 2pass)はコア数がものを言い、7950Xがすべての条件で高速。ただし、9700Xも大差なく健闘。

  • GPUエンコード(NVEnc)はほぼ同等。NVEnc自体がGPU依存なのでCPU差が反映されにくい。

  • QSVは9700Xのほうが常に速く、特にH.264系で差が顕著。PCIeレーンや帯域の違いによる影響の可能性あり。


総合的な読み取り

  • マルチ性能では7950X優勢だが、シングル性能やゲーミングでは9700Xがやや有利。

  • 動画編集では7950Xのマルチパワーが活きるが、NVEncなどGPU支援エンコードではほぼ差がない。

  • QSVでの性能が9700Xで良好な点は、サブ機用CPUとしての選択を後押しするポイント。

  • 消費電力や発熱を考慮すれば、マルチ性能を重視しない用途では9700Xが非常に魅力的。

 

瞬時に分析完了してしまう生成AIさん、素晴らしいですね。

ワットパフォーマンスは TDP 65W(PPT 88W) の 9700XTDP 170W(PPT 230W) の 7950X に対して圧倒的に優秀で、エンコード時の消費電力はワットモニター読みで 7950X では 500W に達していたところ、9700X は 330W 程度に落ち着きました。夏の運用を考えると、9700X の方が良さそうだと思ったので、この夏は 9700X を運用することにします。


ところで、ドライバの熟成不足で不具合多発のGeForce RTX 5000 シリーズですが、うちの 5070 Ti も例外ではなく、動画を視聴しているだけでプチフリーズを起こします。幸い、Intel Arc A310 を 2nd GPU として搭載しているので、こちらからディスプレイに出力をすることで症状が出ないようにしています。

ちなみに、CPU 内蔵のRadeon からのディスプレイ出力ではダメなようで、同じようにプチフリーズしていました。GeForce と Arc の2枚刺しという特殊な環境で問題を解決していますが、早くドライバが成熟することを願います。