gp500physics’ blog

元・GP500 Physics 開発ブログです。

J:COM 環境で無線LAN ルーターを交換したら一筋縄ではいかなかった話。

先日、無線LAN ルーターを交換したのですが、IPv6 をつかむのに苦労したり、無線が安定するまでに時間がかかったりしたので、そのときのメモ。

今回購入したのは、NECPA-WG2600HP3 です。HP4 も出ているのですが、調べてみると搭載チップが HP3 が Qualcomm、HP4 が MediaTek ということで HP3 を選びました。

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無線LAN ルーターの設置は配線を入れ替えるだけなのですぐにできたのですが、IPv6 をつかむのが難しく、とても時間がかかりました。というのも、我が家のインターネットプロバイダは J:COMIPv6 は 1台の機器にしか割り振られない仕様なのです。

IPv6 を狙いの機器に割り当てる手順は、次の通り。

  1. 無線LAN ルーターの無線を OFF にする
  2. ケーブルモデムと無線LAN ルーターIPv6 を割り当てたい機器の電源を OFF にする
  3. ケーブルモデムと無線LAN ルーターからすべての LANケーブルを抜く
  4. ケーブルモデムの電源を ON にする
  5. 無線LAN ルーターの電源を ON にする
  6. ケーブルモデムと無線LAN ルーターを LANケーブルでつなぐ
  7. IPv6 を割り当てたい機器の電源を ON にする
  8. 無線LAN ルーターIPv6 を割り当てたい機器を LANケーブルでつなぐ
  9. 割り当てたい機器に IPv6 アドレスが降ってきたら成功
  10. 無線LANルーターの無線を ON にし、他の LANケーブルをつなぐ

と、こんな感じなのですが、9.の手順で IPv6 アドレスがなかなか降ってこず、失敗の連続でした。何度も 1. からやってみてコツをつかんだのですが、一つひとつの手順の間に、ある程度の時間の間隔が必要で、最終的には 20分程度の間隔を開けながら各作業を行いました。

今回は IPv6 を割り当てたい機器がメインPC で、有線LAN 接続だったのでまだやりやすい方だったのですが、これで割り当てたい機器が無線LAN 接続だったら、無線LAN ルーターにつながっている機器の電源をすべて落とさなければならなくなるので、地獄を見そうです。

ともあれ、なんとかメイン機に IPv6 アドレスが降ってきたので、よかったです。使用感はというと… IPv4 との違いは分かりません(笑)


そして、まだ問題は続きます。食事をしながら大画面テレビにつながった Fire TV Stick で YouTube を見るのが日課になっているのですが、Fire TV Stick が 5GHz 帯でつながらなくなりました。2.4GHz 帯だとつながるのですが、電子レンジと干渉を起こすので、使い物にならないのです。

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仕方がないので、昨年登場した新型の Fire TV Stick を調達しました。こちらも最初は接続が安定せず悩んだのですが、徐々に安定し、数日後には不思議と調子よく接続できるようになりました。バンドステアリング機能を ON にしたり OFF にしたりしていたのですが、どうやら OFF の方が調子がいいようです。

新型の Fire TV Stick はというと、レスポンスがすごくよくなっていて、使いやすくなりました。トラブルによる購入となったものの、これはこれでいい買い物でした。


数日をかけた安定させた、新しい無線LAN ルーターの環境ですが、安定するとすこぶる快適になりました。とにかく、5GHz 帯は電波がよく届きます。とくに iPad がよくなりました。家のどこにいてもつながっている状態です。

2.4GHz 帯はそこまで届いていないものの、Wi-Fi 中継器との相性がよくなったようで、中継器を介した接続が安定するようになりました。

いろいろありましたが、今回の無線LAN ルーターの交換は成功です。

Ryzen 9 5950X を 65W で動かしてみた

Ryzen 9 3900X では割と簡単にうまくいったのに、Ryzen 9 5950X は話が違ったようで、なかなか 65W 駆動ができずにいました。うまく起動したように見えても、しばらくするとストンと電源が落ちてしまう現象に悩まされていました。

いろいろ試し続けながら、ずいぶん時間が経ってしまいました。でもついに、安定する設定を見つけたので、その設定とベンチマークの結果をまとめていきたいと思います。

まずは設定から。肝心だったのは VDDP と VDDG の電圧でした。定格よりも少し上げて、それぞれ 0.950V、1.000V とすることで、電源が落ちる現象は起きなくなりました。

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メモリのタイミングは 14-15-14-28、PBO のセッティングは PPT=87W、TDC=60A、EDC=90A、Max CPU Boost Clock Overdrive=200MHz に設定しました。メモリのタイミングについてはこちらの記事にまとめてあります。

さて、安定駆動する環境が手に入ったところで、ベンチマークで定格からどの程度性能が変わるのかを確認したいと思います。


OS:Windows 10 Pro 64bit
Motherboard:ASRock X570M Pro4 (AMD X570 Chipset)
CPU:AMD Ryzen 9 5950X
CPU Cooler:Corsair H100i RGB Platinum
RAM:Patriot Viper Steel PVS416G440C9K (DDR4-3600 CL14 8GBx2)
GPU:MSI GeForce RTX 2060 AERO ITX 6G OC
SSD:Samsung SSD 980 PRO (1TB M.2 NVMe Gen4) 
PSU:Cooler Master MWE Gold 750 Full Modular 750W (750W 80PLUS Gold)
Case:Cooler Master Silencio S400 TG

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まずは TMPGEnc Video Mastering Works 7 から。フィルターあり、なしともに 1割程度、エンコードの時間が延びました

そして、消費電力を H.264 フィルターなしのときに測定すると、65W 駆動時は 210W、定格 105W 駆動時は 306W と、3割以上の消費電力が削減できていました。また、CPU の温度も測定してみると、65W 駆動時は 53℃、定格 105W 駆動時は 76℃と、温度にも 20℃ 以上の大きな開きが。

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続いて、普通のベンチマークソフト。FFXVベンチマークでは、3%程度の差で無視できそうな程度の差です。

Cinebench では、マルチで 2割程度の差をつけられるものの、シングルでは 65W が定格をわずかに逆転。CPU が冷えているので、PBO が働きやすい状況になっているようです。実際、エンコードで負荷をかけている状態でも 5GHz 以上のクロックに達していました。

このあたりを総合して考えると、Ryzen 9 5950X の 65W 駆動は大いにアリ! という判断になります。ワットパフォーマンスが優れすぎです。夏を乗り越えることも考えると、65W 駆動させるのが良さそうです。

パワーが少しでも欲しいときのために、Ryzen Master に定格やその上の設定のプロファイルを登録して、ワンクリックで簡単に性能を上げられるようにしました。Auto Overclocking の項目の Boost Overdrive CPU の数値を合わせておくのがミソです。

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今年は半導体価格の高騰で、新パーツの導入が難しい一年になってしまいそうです…。RTX 3060 Ti を年始に捕まえなかったのが大きなミスでした。手持ちのパーツでなんとかしていくしかなさそうです。特にグラフィックカードは壊さないようにしなければ…。

タスカムのスピーカー VL-S3BT を衝動買いしました

上の記事を見ていて、欲しくなって衝動買いをしてしまいました。それまで使っていたスピーカーはヤマハの NX-50。メイン機のオーディオインターフェースヤマハスタインバーグの UR22 の相性もよく、特に不満も感じていなかったのですが、欲しくなって買ってしまいました。

買ってしまったのは、タスカムの VL-S3BT。PayPay モールで安く見つけた黒モデルを購入しました。早速、外観を確認してみます。

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正面には大小2つのスピーカーユニットがついています。小さい方は高音担当のツイーター、大きい方は中低音担当のフルレンジでしょうか。背面は増強された低音が出てくるバスレフポートと、入力端子が並びます。

少し驚いたのが左右のスピーカーを結ぶところで、電線を直接ターミナルで固定するようになっていました。高価格帯のスピーカーはこれが多いので、ちょっと高級感があっていい感じだと思いました。

電源スイッチはいいとして、音量つまみが背面にあるのはなぜ?と思いましたが、正面につまみをつけるスペースがないので、ここに来たという感じでしょうか。一度音量を決定したらいじることは少ないので、まあ問題ないかな?

接続作業をして、いざ音を鳴らしてみますが…鳴らない。え?! と思って結線を再確認しますが、きちんとつながっています。Bluetooth での入力にも対応しているので、そちらに切り替えるとちゃんと鳴ります。まさか不良品

いろいろ試しているうちに、問題解決。このスピーカーは入力が 2系統あるのですが、どうやらこの 2系統は内部で直接結線されているらしく、電流の逆流が起きて同時使用ができないようです。2つの入力は「排他」って書いておいて欲しかった…。

仕方がないので、今まで使ってきたヤマハ NX-50 も併用することにしました。メイン機は VL-S3BT へ、それ以外は NX-50 へ接続することにしました。これまではサブ機の音声出力をつなぐところがなかったので、NX-50 の空いた 1系統に割り当てることにしました。

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さて、肝心の音質の話へ。先に断っておくと、このスピーカーを設置するデスクは18mm のパイン材で作った自作デスクです。テーブル下にスピーカーを置く棚を作ったのですが、スピーカーが巨大な箱で覆われた状態になるため、低音がすごく増強される状態になっています。

NX-50 はこのデスクの構造のおかげで、スピーカーのサイズの割にはよく低音が鳴っていました。さて、VL-S3BT はどうでしょうか? 当然ですが、鳴らし始めはスピーカーユニットが馴染んでいないので、硬めの音です。

エージングを 1週間、2週間と重ねるうちに、低音が徐々に出てきました。現在 1ヶ月、かなり低音が出るようになりました。最初は NX-50 の方が低音があるなあ、と思ったのですが、すっかり逆転しています。

そして、はっきりと違いが分かるのは高音。ツイーターのおかげで音の輪郭がはっきりした感じになりました。普段からアニソンか同人しか聞きませんが、音源によってマスタリングの良さ・荒さを感じることができるようになりました。

音ってあいまいなもので、すべては自分の感覚です。でも、少なくとも NX-50 よりもワンランク上の音の世界が手に入った気がします。ここまで音がいいのなら、2系統の入力が排他仕様なのも納得。音質のダウンを極力防ぐ回路設計なのだと思いました。

新しい音楽ライフ、楽しんでいきたいです。