gp500physics’ blog

元・GP500 Physics 開発ブログです。

古い簡易水冷を使いたかったので、AM4ブラケットを 3Dプリンターで自作した話。

春に 3Dプリンターを買ってから、治具や部品をつくっては失敗を繰り返しています。でも、3Dプリンターを買った本当の理由が、実は…

昔、手に入れた FX-9590 についてきた簡易水冷キットが AM3 専用だったので、AM4 でも使えるようにブラケットを自分でつくりたい!

からだったのです。いきなりやるのも自信がなかったので、いろいろなものをつくりながら練習をしていました。ゴールデンウィークになって、時間がたっぷりあったので、今回は AM4 のブラケットをつくってみたお話です。

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まず、AM3 のブラケットの穴の位置関係や、形を測定。ノギスが家にないので、メジャーで測定しました。それをベースに、AM4 の穴の位置にずらした図面をつくります。

難航するかと思いましたが、円と四角形の組み合わせだけで図面が描けてしまったので、あっという間にサンプル品が完成!

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実際に取り付けてみると、全然強度が足りません(笑) グリスも全然伸びてない。金属でできていたものをプラスチックでつくったのだから、当然と言えば当然なのですが…。でも、穴の位置や寸法はほぼ完璧。これを補強していきます。

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複雑に見えますが、これ全部、円と四角形の組み合わせだけで描けてしまうんです。最初は難しそう…って思っていましたが、やってみると意外と簡単。いろんな方向から描けるので、三角法の図面をつくるよりも圧倒的に簡単です。

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そして、できあがったバージョン2。だいぶ強くなったのですが、密着させようとネジを締めていくと、ブラケットがテンションに耐えられずに割れてしまいました。でも、グリスはちゃんと伸びました。割れないように、もっと強く作り直します。

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さて、そうしてつくったバージョン3ですが、めちゃくちゃゴツくなりました3Dプリンターでの印刷時間は、バージョン2 までは 2時間くらいでできていたのに、大幅に増えて 11時間。強さの方向を変えるために、繊維の積層方向を横から縦に変えたので、時間がかかったと思われます。

…でも、取り付けてから数時間経って見てみると、ひびが入っていました。強さのあるものをつくるのは、なかなか難しい。

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そしてつくったバージョン4。繊維方向をさらに変えて、さらに設計も厚みをさらに増した形に変更して挑戦です。ついに印刷時間は12時間を突破!

時間をかけた甲斐あって、めちゃくちゃ頑丈で、ネジを最後まで締めても割れません。ついに完成です! このあと、OCCTを1時間走らせたりして様子を見ましたが、ちゃんと冷えていて特に問題なし。

今は余りが Athlon 3000G しかないので、もっと高発熱な CPU でどうなるかは未知数です。でも、持て余していた AM3 専用の簡易水冷キットが AM4 対応になって、蘇らせることができたのはよかったです。あと、やりがいがハンパない。

その気になれば何でもつくれる 3Dプリンター、活用できる幅は無限大です!