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元・GP500 Physics 開発ブログです。

Ryzen 9 3900X を 65W で動かしてみた

Ryzen 9 3900X を手に入れてから、夜中にエンコードをさせてみたり、いろいろさせていたのですが、寝床とPCの距離は1mあるかないか。エンコード中の温度は80℃台。ファンは全力で回転しています。うるさい。

設定で解決できないかとBIOS画面を眺めていると、Eco Modeの文字が目に入りました。B450M Steel Legend では、AMD Overclocking の中にありました。どうやらこれを有効にすると、105WのCPUが65Wで動いてくれるらしい。そういえば 65Wな Ryzen 9 3900 が近々登場するそうなので、だいたいそれと同じになるんでしょうか? とりあえず試してみることに。

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ベンチマークをとる前に、消費電力と温度をチェック。CPU電圧はオフセットで-0.1Vしています。H.265エンコード中の時で比較すると、105Wの状態ではPC全体の消費電力が260Wくらいで、温度は80℃台中盤から後半。これが65Wになると、消費電力は170Wくらいで、温度は70℃を超えない程度になりました。BIOSからファンの回転数を抑えても、70℃をなかなか超えません。音があまり聞こえなくなったので、これは良い感じ!

さて、ベンチマークです。どの程度パフォーマンスが抑えられたのでしょうか? いつもの4種類のベンチマークで比較をしてみます。

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TMPGEnc Video Mastering Works 7 では、一番負荷が軽いと思われるフィルター処理なしのH.264エンコードで省電力プロファイルのスコアを下回った以外は、省電力プロファイルを使うよりも良い結果になりました。オフセット電圧-0.1Vの105W状態と比べると4~10%の性能ダウンです。消費電力が40%近く下がっているのを考えると、かなり良い感じになるかな?

ゲーム系ベンチのFF15ベンチマークでは、1%強だけ下がっただけでスコアにほとんど変わりなし。Cinebenchは、マルチコアでは105W状態から概ね10%のスコアダウン。シングルではなんと105Wの状態を上回っていく結果に! R20のマルチコアで省電力プロファイルのスコアを下回った以外は、省電力プロファイルを使うよりも良い結果になりました。

全体的に見てみると、省電力プロファイルを使うよりは65W縛りの方がパフォーマンスは良いのかな?という感じです。ただし、アイドル時の消費電力は削減できず、省電力プロファイルを使うよりも10W程度多くなってしまっています。

いろいろ比較しましたが、寝ている間に動かしておけるというのは大きいです。あと、電源のファンの動き方もおとなしくなったので、電源にも優しくなったと思います。ファンコンを65Wの状態でうまく動くように調整して、しばらくこのまま使ってみることにしました。

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近い記事はこちらにあります→Ryzen 9 3900X 低電力駆動編。